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KOKOPROは中小企業の人材育成をサポートするコンサルタントです。

会社方針コラム・接遇

KOKOPRO代表 田木暁子(人材育成コンサルタント 研修講師)

約3000人の育成に携わってきた経験から『人を育てる』『働きやすい職場をつくる』ことについて熱く綴るコラムです。

接遇力アップ

  1. 接遇で目指すところは「好印象」ではない
  2. なぜ「好印象」で終わってはいけないか、売り上げにつながる接遇を
  3. とはいえ基本マナーはめちゃくちゃ大事!
  4. 接遇のお手本は昭和の商店街かもしれない
  5. ミラーニューロンの働きで接遇は自分をハッピーにする
  6. 接遇とは一言でいえば全身からのウェルカムメッセージ
  7. 接遇マナー『できる度』チェック!

1.接遇で目指すところは「好印象」ではない

接遇=相手に心地よく過ごしていただく、好印象、安心感、信頼感等々目指す所は色々だと思います。

しかし本気で目指したいのはお客様に『探される』レベル。
最初は好印象で十分ですが、それは接遇ステップでいえばまだ前半初級レベルです。「ここのスタッフの方は感じ良い」レベルではなく・・・ではありません。

もちろんこれはとっても大切ですが、接遇ステップでいえばまだ前半の初級レベルかなといったところです。

本気で目指したいのはお客様に「探される」レベル。
「まぁ今日は山田さんは?」
「あら?あのいつものメガネの方は?」
…口に出されないにしても心の中で『あれ?どこかな?』と探されるレベル。

そこまで行きたいのです。そして、もしもあなたが退社されたら
「え~!!!山田さん辞めちゃったの?」「どこに行かれたの?」「ご結婚?転勤?」
などと追及されるレベルになって頂きたいのです。

我が家の近所のSOFTBANKさんにはそういう方がいらっしゃいました。私は当然、行けばその方を探します。機種変更とか、ちょっとややこしい手続きはその方がいらっしゃる時にやりたいと思っていました。

ら。
何と夫も全く同じことを思っておりました。「あ!あのおばちゃんやろ~。あの人いいよね。俺、あの人がおるか探すもん」。さらにさらに友人までもが「知ってる!たぶん同じ人。わかるわかるあの人いいよね。」と。

やっぱり。思う事はみな同じ。

後で分かったのですが、実はその女性はソフトバンクの接客ロールプレイング全国大会で優勝された方でした。近所であることを大変光栄に思いました。



2.なぜ「好印象」で終わってはいけないか、売り上げにつながる接遇を

接遇の目的は「好印象」ではありません。「売り上げにつなげる」ために接遇を取り入れるのです。その手前には「お客様(患者様)アップ」「クレーム予防」「企業のイメージアップ」等などあるでしょう。しかしその先にはやはり「売り上げ」があるのです。ボランティアでない限り、利益を生まないとその社会的役割を果たせないからです。

接遇研修を行う場合も、指導育成をする場合もここはしっかり意識づけしておかなければなりません。そこが曖昧になると、単にお客様と仲良くなってダラダラと話をする、何でも相談に乗る、他愛もないおしゃべりばかりするで終わってしまいます。好印象は好印象でしょうが「仲良くなる」ことが目的になってしまっているのです。

それでは、どんな接遇をすると売り上げにつながるのか。
例えば、何かを買う際、私たちは無意識に「この人から買ってもよいか」「この店から買ってもよいか」「この院に任せてもよいか」を見極めています。その判断材料として’接し方’を見ています。

○言葉遣いが丁寧=丁寧に扱ってくれそう
○気楽に話せる=気楽に相談できそう
○ふるまいがきちんとしている=きちんとした商品を扱っていそう

といった具合です。

つまり、皆さんがどんな商品を、どんな人に売りたいのか、どんな企業を目指しているのかによって、接遇方法は変わってくるのです。

○ファミリーに愛されるお店にしたい
○女性に居心地の良い院にしたい
○シルバー層に安心して利用してもらえる場所にしたい
○高所得者をターゲットに高価なものを販売したい
などなど、それによって接遇の戦略を変える必要があります。

接遇だからといって誰もかれもが杓子定規に「お辞儀の角度」「言葉遣い」「スマートな立ち居振る舞い」等を磨く必要はなく、もちろんそれも一つのスキルとして持っていた方が良いと思いますが、優先順位として上位なのかを考える必要があります。


3.とはいえ基本マナーはめちゃくちゃ大事!

接遇で目指すのは「好印象」ではないのですが、そこを通らなければ決して「探される」レベルにはいけません。そりゃそうです。ですから新人さんや接遇初心者の方にはむしろ「最初は好印象で十分♪そこを目指しましょう」と言っています。

「敬語もできるだけマスターしましょう」
「丁寧で優しい言葉がけをしましょう」
「笑顔やアイコンタクトはとっても大事」
というような基本の話をしています。

実はこの基本マナーがすっぽり抜けて「オリジナリティ」に行ってしまったがために、接遇が上手くいかないという方は少なくないと思います。

基本マナーというのは「社会人としての常識」なので、年齢を重ねれば重ねるほど指摘してくれる人が減っていきます。
学生時代までは「これをすると校則違反だよ」とか「学校を休むときはね」と何から何まで細かく教えてくれるのが日本社会。手とり足とり、至れり尽くせりです。

ところが社会にポーンと出た瞬間「はい、自己責任ね」というのも日本社会。日本だけではないですが、社会というのはそういうシビアな世界です。

過去にマナーを学ぶ気がないという社員さんで
「自分は人と会わない仕事だから」
「自分は作業が主だから」
「自分はスーツを着る仕事ではないから」
とおっしゃる方がいらっしゃいました。インフォーマルな世界(家族、仲間、身内、親しい人)ばかりで生きてきた人に多くみられる傾向です。それでもマナー本一冊位は読んでおくことをおススメします。

何故か?
あなたは「マナーとは関係ない所にいる」かもしれませんが、お客様はそうではないからです。

あなたは
「自分はこういう仕事だからマナーを知らなくてもいい」
「自分はこういう立場だからマナーを知らなくてもいい」
と思うかもしれませんが

お客様はあなたのマナー違反の言動に対し
「この方はこういうお仕事だからマナーが悪くても仕方ないわね、我慢するわ~」
「この方はそういうお立場だから嫌な気持ちになる応対されえても仕方ないわね~」
なんて思ってはくれないからです。黙って去っていかれるのです。


4.接遇のお手本は昭和の商店街かもしれない

今やネットで物を買う時代です。
ネットに繋げば、これまでだったら現地に行くしか手に入れる事のできない、海外のブランド物だって、北海道のタラバ蟹だって、沖縄のサーダーアンダギーだって、クリック一つで買えちゃいます。

欲しい物を検索にかければ、ずらずらと出てきます。
価格を比較してくれるサイトもありますし、オークションを比較してくれるサイトもありますし、使い心地や感想も見れますし、成分だってどこの何を使った物なのかだって分かります。

「物を手に入れる」ためにはとても簡単便利な素晴らしい世界ですが、そこに「人のぬくもり」はあまり感じられません。※決してネットを批判しているわけではありません。私自身ヘビーユーザーなので。

スーパーだって同じです。欲しい物をカゴに入れてゴロゴロとレジへ進めば自動的に会計してくれて終了です。セルフレジもできてますから誰とも一言も話す事なく何でも買えちゃいます。※決してセルフレジを批判しているわけではありません。私自身もセルフレジ派なので。

簡単便利ではありますが、そんなシステマチックな世界になればなるほど、人はもっと「人のぬくもり」や「人とのつながり」を求めるようになると皆さんも思いませんか?

接遇のお手本が昭和の商店街かもというのは、私がまだ小さいころの体験からです。お肉を買うには肉屋さん、野菜を買うには八百屋さん、時計を買うには敷居の高い時計宝石店に行かなくては買えません。

自動的にカゴに入れる事はできませんから、いちいち店主やおかみさんを呼んで「すいませ~ん!このお肉500グラムをひき肉にして」とか「今日は何がお得なの?」などそこには自然とコミュニケーションが生まれました。
「あれ、今日はさくらちゃんまで一緒?学校休み?」とか
「最近みないから風邪でもひいたかと思ったよ」とか
「奥さんのところは大家族やけんこれおまけしとこうね」とか

時計など高級なお店に入るのには勇気が必要で、自然と言葉遣いやふるまいがきちんとしたものです。お店の方も、何となく品のあるような印象で、子どもの私にも丁寧にきちんと対応してくださいました。

いずれにしても心と心の触れ合いがありました。経験と勘で「友好関係の上に信頼関係を築き売り上げにつなげる」という接遇をなさっていたのだと思います。

接遇というとその具体的テクニックだけが一人歩きしてしまっていますが、要は「心と心の触れ合い」です。テクニックもいいですが「相手の立場に立つこと」「相手の気持ちを考えること」を徹底しても良いかもしれません。


5.ミラーニューロンの働きで接遇は自分をハッピーにする

ミラーニューロンとは脳にある神経細胞の種類です。ミラーですから鏡。つまり目にしたものをまるで自分が体験しているかのように鏡のような反応をする神経細胞です。

テレビでスポーツを観ていると自分もやりたくなったり、悲しんでいる人を見ると自分も悲しくなったり、ラーメンの番組を見るとヨダレが出てきたり…これらはミラーニューロンの働きです。

接遇の成果で、お客様が笑顔になったり、喜んでいただけたり、感謝されたりすると自分も嬉しいですよね。やる気もアップします。私たちは楽しそうな人や嬉しそうな人を目にするだけで、自分も楽しく嬉しく感じることができるという生き物なのです。

ですからよく運気アップの法則として「付き合う相手は選べ」とか「自分の運気を上げる人のそばにいましょう」などと言われます。グチグチ、メソメソ、イライラしてばかりの人のそばにいると、ミラーニューロンの働きで自分も同じような感情になってしまうのです。

お客様をハッピーにするから自分もハッピーンなる。
接遇とは相手のために行っているようで、結局は一番自分のためになっているのです。

付け加えますと。さぁお気づきでしょうか?
スタッフの方が、渋々、嫌々ながら接遇をしているとそれは自然とお客様にも伝わっているということです。そして何となくお客様もミラーニューロンの働きで気分がマイナスになりそれがクレームを招くことにもなります。

接遇も最初は「楽しむ余裕なんかない。覚えたことをやるだけで精一杯」かもしれませんが誰でも最初はそうです。それでいいのです。しかし次第に接遇スキルが身について自然と出来るようになると、その頃にはもう「楽しい」と感じている自分に気づくでしょう。

人は鏡のようなものです。
あなたが楽しそうに幸せそうに仕事をしていたら、それを見たお客様は、例えあなたが直接応対していなくても、もうそれは接遇を半分やったも同然です。



6.接遇とは一言でいえば全身からのウェルカムメッセージ

何となく人が寄ってくる人と何となく人が避けてしまう人。この違いは何だと思われますか?

私はその人が「全身からウェルカムメッセージを出しているかどうか」だと思っています。ウェルカムメッセージというのはイメージとしては「両手を大きく広げてさぁどうぞ」というイメージです。

カレーのCOCO壱番屋の創業者宗次徳二さんの講演会に参加した際、とても印象的なことをおっしゃっていました。宗次さんは毎朝会社前の通りの清掃をなさっているそうです。名古屋の大きな通りです。

こんな風におっしゃっていました「掃除をしている時は心が開いているから色んな人が話しかけてくれるんです」と。何気なくさらっとお話しになりましたが、私はこの言葉が一番印象的でした。「心が開いている!」。

心が開いていると、顔が開いて自然と明るい表情になります。
心が開いていると、身体が開くので視野が広がります。
心が開いていると、気持ちが相手に向かうので自然と身体が相手を向きます。
心が開いていると、受け入れ態勢が出来ているので言葉が優しくなります。
心が開いていると、余裕が生まれるので温かい気持ちで迎えることができます。


では、心を開くとはどういう状態か。
まず自分自身が穏やかな気持ちであること。イライラしたりクヨクヨしたりしているときは心が開けません。そしてそういった状態を作り出せるかどうかは、何より「相手に対する敬意の念」「相手を尊重する心」を根本的に持てるかどうかだと思います。

少し話はそれますが、私の友人で「相手を尊重できる人かどうか」を瞬時に察知できる人がいます。本人は私に「自分はこの人はダメと思ったらもう絶対ダメ、受け付けない。それが瞬時にわかるのよね」と話してくれました。本人は「動物的勘」と言っていましたが、良好なコミュニケーションの根っことなる「敬意・尊重」を直感で読みとれる人なんだと思います。

敏感な方でなくても、何度か接していくうちにこれ(この人は自分を大切にしてくれる人かどうか)は誰でも分かってきます。なぜなら、私たち人間は「相手に対し尊重の気持ちがあるかどうか」が、必ず言葉や行動や表情に出てしまうからです。ですから根っこの部分に「尊敬・敬意」を持って人と接する人は、接遇スキルを知らなくても自然と人が集まってきますし好かれます。

心を開き、全身からウェルカムメッセージが出す。心がけたいことだと改めて思います。


7.接遇マナー『できる度』チェック!

(ある=2点 時々ある=1点 ない=0点)
基本業務を滞りなくできる 2 ・ 1 ・ 0
2 挨拶や笑顔が良い 2 ・ 1 ・ 0
3 身だしなみや立ち居振る舞いが良い 2 ・ 1 ・ 0
4 きちんとした言葉づかいが出来る 2 ・ 1 ・ 0
5 お客様の立場に立った動きができる 2 ・ 1 ・ 0
6 お客さまに対し思いやりの行動や言葉がある 2 ・ 1 ・ 0
7 同僚に対し思いやりの言葉や行動がある 2 ・ 1 ・ 0
8 お客様と親密度を高める会話や行動がある 2 ・ 1 ・ 0
9 自発的に接遇のバリエーションを増やしスキルアップしている 2 ・ 1 ・ 0
10 お客様の話をよく聞き、ニーズに合ったご提案ができる 2 ・ 1 ・ 0
11 お客様の心理を察知した臨機応変な行動ができる 2 ・ 1 ・ 0
12 そのスタッフがいると周囲も良い雰囲気になる 2 ・ 1 ・ 0
13 お客様から信頼を得、自分の顧客ができている 2 ・ 1 ・ 0
14 指名していただいたり別の方を紹介していただくことがある 2 ・ 1 ・ 0
15 お客様と会話が弾んだり安心して任せて頂いたりしている 2 ・ 1 ・ 0
16 お客様目線で積極的に社内改善そしたり商品企画をしたりする 2 ・ 1 ・ 0
合計       点


0~8点    ⇒社会人としての常識レベル
身につけたいスキル:ビジネスマナー基礎、好印象な話し方や言葉づかい等
9点~16点  ⇒顧客意識を持っているレベル
身につけたいスキル:クレーム対応、聴くスキル等
17点~24点 ⇒同僚や後輩に影響をあたえるレベル
身につけたいスキル:プレゼンテーション力、リーダーシップ、アサーティブコミュニケーション等
25点~32点 ⇒売れっ子レベル
身につけたいスキル:コンサルティング力、ファシリテーション、コーチング等
                   
 点数に関わらずこれからの時代 身につけたいスキル BEST3!!
 1位:メンタルヘルスマネジメント
    (ストレスに強くなり自分自身にリーダーシップを発揮する)
 2位:アンガーマネジメント
    (情動をコントロールし社会に適応した行動をとれる、パワハラ防止)
 3位:アサーティブコミュニケーション力
    (相手を尊重しながら自分の考えや意見も主張できる)

     




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