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KOKOPROは中小企業の人材育成をサポートするコンサルタントです。

会社方針コラム・人材育成

KOKOPRO代表 田木暁子(人材育成コンサルタント 研修講師)

約3000人の育成に携わってきた経験から『人を育てる』『働きやすい職場をつくる』ことについて熱く綴るコラムです。

人材育成


 1.部下のほめ方叱り方厳選5!
 2.モチベーションはどうやったら上がる?
 3.教育とは指導することではなく文化をつくること
 4.ではどうやって良い文化をつくるか
 5.一流の人は一流の環境がつくる
 

1.部下のほめ方叱り方厳選5

ほめるも叱るも目的は「その人を導く」ための行為です
人を一本の木に例えると、育成する側はその成長を見守り、状態に応じて、太陽や水や栄養などをサポートします。
時には害虫から守ったり、植え替えたりしながら成長を促進させます。

太陽や水、栄養などの調整はあくまで「短期的「部分的」な関わりであり、何より「日々の見守り」が欠かせません。

部下の育成も同じく、最も根本にあるべきは「日々の見守り」であり、そこにほめるや叱る等の「短期的「部分的」な関わりが加わるとイメージしてください。その上でほめ方叱り方のノウハウをご紹介します。



➀ほめると叱る=アクセルとブレーキのようなものである


アクセルばかりだと人によっては暴走したり、誤った道に勝手に入ってしまったりします。
ブレーキばかりだとやる気もなくり、いちいち上司の顔色をうかがうようになります。

かつて私の上司に、アクセル&ブレーキの使い方がとても上手な方がいらっしゃいました。
基本的にはメンバーの存在を認め、信じ、やらせて見守ります。
その上で「その先は危険」「そっちはダメ」という時にギュッとブレーキをかける感じでした。

ちなみに上司がアクセル&ブレーキを担当するとしたら、会社は「道路整備」「交通規則」の担当です。道路が整備されていなかったり、交通規則が曖昧だったりすると、アクセル&ブレーキも「いつ?どこで?」になってしまいます。



➁3つほめて1つ叱ると良い子に育つ

3つほめて1つしかると良い子に育つというのは、子育てをする母から母へと受け継がれた教えですが、大人の育成にも参考になるかと思います。

もちろんそれだけで部下が本当によく育つかというと、それだけではダメです。
しかし、参考になる言葉だと思います。

なぜなら「ほめる」というのは日々観察していないとできないからです。ミスや悪い行いは目立つので大して観察していなくても気が付くものですが、ほめるにはそのネタを探さなければなりません。この過程で部下との関わりが必須となり好結果を期待できます。また、日本人はほめるがそもそも苦手なので「3倍ほめるぞ!」くらい意識していないと実際にほめ言葉なんて出てこないのです

部下は上司が思っている以上に、上司の言動に敏感です。
上司としては何気なく言ったことも、部下にとってはその数倍の影響力があったり、ずっと覚えていたりすると思ってください。

ちなみに私は研修で時々「ほめほめ大会」を行います。同僚同士で相手をほめまくるというものです。
目的は様々ですがEQアップが一番の目的です。

何度も行っていると、最初は1つしかほめることのできなかった方が、数カ月後に10個以上ほめることができるようになっていることもありました。ほめるというのは「感情・気持ち・イメージなどの漠然としたもの」を「言葉という具体的なもの」に置き換える行為です。

これはトレーニングをしなければ身に付かないスキルです。コミュニケーション能力や感情コントロール力をアップするのに効果的です。

当然ですが、続ければ「お客様に対してのコミュニケーション能力」が上がります。最初は上手くできなかった方も繰り返し行う事でボキャブラリーが増え、視点が増えていくのです。



③タイミングを逃さない

叱るに関しては、間違った行動をした時がそのタイミングなのでわかりやすいです。
ほめるに関しては「タイミングよくほめる」はハイレベルなほめ方です。
タイミングよくほめられたらもうスーパー上司です。

皆さんに「どんな風にほめられたいですか?」とお尋ねしたことがあります。
そうすると様々で
・その場ですぐほめられた方が嬉しい
・会議などみんなの前でほめられた方が嬉しい
・個人面談でこっそりほめられた方が嬉しい

その方やその内容によって色々なんだなぁと思ったことがあります。

以前ロッテのバレンタイン監督がこういう事をおっしゃっていました。
選手のナイスプレーで逆転し、みんなが喜んでいる時。
監督1人ポーカーフェイスで喜んでいなかったのでその理由を問われた際
「自分が喜んだ顔をすると選手が試合はもう終わったと’錯覚’してしまう。本当に喜ぶのは試合が終わってからなのです。」と。

喜び1つもタイミングをはかるような監督でいらっしゃいましたから当然ほめる&叱るに関してもタイミングも絶妙だったのだと思います。

野球はよく分かりませんがほめる事や声かけにとても重点を置かれていた監督だったそうです。

タイミングを逃さないためには、やはりよくその人や状況を観察しておく必要があります。
結局のところタイミングよくほめるというのは
「私はあなたをちゃんと見守ってますよ」
「私はあなたのことをちゃんと考えてますよ」という承認メッセージなのです。



④努力の過程をほめる

「何をほめられると嬉しいですか?」とお尋ねした際に多かったのが
・頑張った過程
・表面や結果には出ない努力

明らかに「すごい」「優れている」「できている」点についてほめられるのは勿論嬉しいですからぜひほめて盛り上げて下さい。

さらにもっと効果的なのは
「ここまで仕上げるのは大変だっただろう」
「いつも遅くまで残ってよく頑張っていたよね」
「相当苦労してるなぁと思いながらもその姿に感心していたよ」
・・・努力や表面に出ない工夫などその結果までの過程をほめるとかなりグッとくると思います。

皆さんもそういう部分をほめられて「課長!分かります?!」「部長!そんなとこまで見ていてくれたんですね」とすごく嬉しくなったことありませんか?

逆にすっごく時間がかかった、大変だった、努力した、頑張ったことに対して「よくできてるね」の一言で「え?それだけ?」と報われない気持ちになったことありませんか?



⑤継続は力なり

ほめる&叱るをテーマにファシリテーションをしたことがあります。

その結果
叱り方のポイント3つは
・感情的にならない 
・過去の事を持ち出さない
・手短に

にまとまったことがあります。
「こんな叱り方は嫌だ!」を元に話し合ったので、実際に心がけたい3要素にまとまったと思います。

一方
ほめ方のポイント3つは
・努力の過程をほめる
・少しの成長でもほめる
・とにかくほめる

でまとまりました。

ほめるに関しては人はいつも「受け入れてもらいたい」「認めてもらいたい」「愛してもらいたい」と思っている動物なので、1回ほめられたから「はい、満足ありがとう。」ではありません。

何度も何度も繰り返し伝えてもらえることで自信がつき安心できるようになります。
安心感を持てるとどうなるか、チャレンジ精神が出てきます。次へ進もうとか新しいものに挑んでみようとか。

ほめるも叱るも最終的な目的は「自立」です。自立まで時間もエネルギーも費やしますがもうちょっと続けてみてください。



2.モチベーションはどうやったら上がる?

モチベーションはちょっとしたことで上がったり下がったりするものです。
・昇給した
・上司にほめられた
・お客様に感謝された
・チームで連携が上手くいった
・楽しみが待っている時
など。

出来事によって小さな波をうちながら上へ下へと感情が動く感じでしょうか。

これまで約150名位の方にご協力いただきまして「どんな時にやる気がでますか?」という問いに答えて頂きました。
上位を占めるのは、上記のような「ほめられる」「仲間との連帯感」「お客さまからの感謝の気持ち」など。

その他にも少数意見ですが
・締切が迫っている時
・売り上げが落ちこんだとき
・トラブルが起きた時
・同僚が結果を出した時
・プライベートに楽しみなことがあるとき
などの声もあります。

つまりはモチベーションスイッチは「人によって違う」し「色々ある」ということです。
人によって違うし色々あるので、ちょっとしたことで上がったり下がったりします。

とはいえ、私の経験上これは間違いない!と思うのが
『人は何をすればよいか分からないときほどモチベーションが下がるときはない』です。

もっと良くなりたいと思っていても、何をすれば望む結果を手に入れられるか分からなければ動きようがないので、試行錯誤しているうちに疲弊してしまいます。

トラブルを解決したいと思っても、どうすれば解決できるのか分からなければ、悩み続けるうちにエネルギー不足になってしまいます。

ですから、もしも誰かのモチベーションを上げたいと思うのなら、「何をどうすれば自分はどうなるか」をはっきり示してあげるのが一番だと思います。

・何をすれば昇給(昇級)するのか
・何をすれば評価されるのか
・何年たてば次のステップへいけるのか
・頑張った結果どうなるのか

などのキャリアの全体像はもちろん

・自分の役割は何なのか
・どこまでが自分の仕事なのか
・優先順位はどうなっているのか
・誰と連携をとるのか

などの職場での役割やポジション

・何をすればスキルアップできるのか
・どうすれば問題を解決できるのか
・この方法でいいのか
・もっとスムーズで良い方法はないのか

などの日々の仕事に関してもそうです。

そういったことを「ガイダンス」「レクチャー」するのが上司や先輩の役割であり、ガイダンス&レクチャーが上手ければ上手いほどモチベーションを一定以上に維持できるでしょう。

そこにちょっとしたスパイスとして
「いいね」「その調子」「やるね」「さすがだね」「素晴らしい」等のアクションを加える事でいっそうテンポアップするかもしれません。



3.教育とは指導するのではなく文化をつくること


教育は指導することなのですが、指導はあくまで手段であって「企業文化」を作っていくのが目的です。
文化を作らずに指導ばかりしていると、何年たっても成長を感じられません。

では「文化」とはどういうものか
・朝は全員で周囲の掃除をするという文化
・月曜日の朝、10分間お互いの週末の出来事をおしゃべりする文化
・先輩が後輩に定期的に面談をする文化
・毎朝交代で朝礼の司会進行をする文化
・勉強する人は偉いという文化
・お客様にお礼状を出すという文化
・2年目の人が1年目の人を指導する文化

良い習慣=文化を作ることは簡単ではありませんが、文化が出来ればそれに対していちいち疑問や反感をもったりもしません。
だから指導もいりません。
空気のようなものです。

文化というのは同時に「良くない文化」もあります。
これはできるだけ早目に取り除く努力をした方がいいと思います。

・新しく入ってきた人を疎外する文化
・真面目にやる人はかっこ悪いという文化
・積極的に取組むのは恥ずかしいという文化
・派閥に加わらないといけないという文化
・先輩が帰るまで後輩は帰れないという文化
・トップに誰もノーと言えない文化


悪い文化が出来ている場合、なくすのは相当なエネルギーが必要になります。
文化ですから放っておくと脈々と受け継がれ、恐ろしことに、全スタッフが入れ替わってもその文化だけが残ってしまうのです。
学校にも校風があり、企業にも社風がありますが、これを変えるのは簡単ではないのです。

繰り返しますが、文化を作ることは簡単ではありません。
しかし、良い文化を作ってしまえば、いちいち指導したり説明したりする必要がありませんので、チームの生産性は倍々ゲームでアップし好循環が生まれます。

スタートは今からでも遅くありません。早い方がもちろん良いです。良い文化づくりをスタートしてみませんか?



ではどうやって良い文化をつくるか


個人の能力に頼るのではなく『システム』が大切です。

例えば、3年勤めたら給料がグンと上がるとなれば、誰しも「3年は頑張ろう」と思うものです。上司が「指導や声掛けをする」ことで頑張らせるより数倍効果的です。

研修を修了したら昇給するとなれば、喜んで研修にも行くでしょうし、毎日の勤務態度が評価の対象になり、それが賞与に反映するとしたら、勤務態度を改めようと思うでしょう。

昇給、昇級、昇格、賞与などは、文化をつくるためのエッセンスとして大変効果的です。ですから「自分の給与がなぜこの金額か分からない。社長が判断して決まっているらしい。」という状況は、教育の立場から見れば、非常にもったいない方法で給与を支給していることになります。(しかし現実はこういった会社は少なくありません)

何となく昇給していたり、何となくボーナスが減っていては、その人に成長はありません。

・なぜ自分の給与はこの額なのか
・給与の内訳は何なのか
・何を良いと評価され、何が足りないからこの額なのか

それが分かるからこそ「もっとこの点を頑張ろう」「ここは改めよう」となります。

他にも。
こんな会社があります。
「遅刻したら罰金500円。そして遅刻の罰金は、まとめて社内旅行の際のじゃんけんゲームで使う」。

こういったシステムにするとどうなるか?遅刻した人は「拍手で」迎えられるそうです。だって、遅刻すればするほどじゃんけんゲームの額が大きくなるから他のスタッフは喜ぶのです。

もしもそういったシステムがない場合、つまり「遅刻したらどうなるのか」という明確なものがない場合、遅刻しない他のスタッフは非常にストレスがたまります。上司は指導をしないといけないので、時間もとられすし、精神的エネルギーも相当使います。チーム全体ではかなりの損失です。

遅刻した本人はどうか。拍手で迎えられたらうれしいのか。そんなことはありません。非常に恥ずかしいのです。上司にガミガミ叱られるよりかはいいかもしれませんが、自分の不名誉なことを「改めたい」と思うでしょう。

文化を作る方法は他にもたくさんあります。
アイデア次第、今すでにあるものを有効に活用することで生産性はグッ上がります。


一流の人は一流の環境がつくる


会社に良い文化をつくる方法として欠かせないのが「職場環境」です。
人間は思っている以上に環境に影響される動物です。

例えば高級レストランに入った瞬間に何となく姿勢や服装を正したり、言葉遣いが丁寧になったりするのもその環境を瞬時に察知して人が適応している証拠です。

社内環境を工夫することで生産性を上げている会社としてPIXERの社屋は有名ですが(是非検索してみてください!素晴らしいです!)最近は日本でも職場環境に注目する会社が増えています。

どんな会社にしたいのか、それによって環境づくりも違ってきますが、まずは以下の基本は押さえておきたいものです。

歯科研修 スタッフルームが清潔である
スタッフ一人ひとりにロッカーがある
スタッフ用資料が整理整頓されている
不要なものを置いていない
鏡がある
食事時間、食事場所、休憩時間、休憩場所を大切にしている
業者さんへの対応がよい
スタッフが職場に家族や友人を呼べる
スタッフ同士がお互いを大切にしている
学ぶ場、スキルアップの場がある
                             合計   ポイント

いかがでしょうか?
仕事の効率が悪いのはなぜか、スタッフがお客様を大切にしないのはなぜか、離職率が高いのはなぜか…それぞれの課題に社内環境が影響していることも少なくありません。それくらい人は環境に影響を受け、環境に適応していく動物です。

他にもニューヨークの地下鉄の事例は有名です。
かつてニューヨークの地下鉄で車両や駅を清掃し、落書きを消したところ犯罪が激減したという話です。
一説では地下鉄の犯罪件数が75%も激減したと言われています。

ゴミ1つ、掃除されていない部屋、放置された不用品…それら1つ1つは小さなことかもしれません。
ですがそこから生まれる「負」はやがて大きなものへとつながるかもしれないと知らされます。

場が乱れていると心も乱れ仕事も乱れます。

・社屋の一階を卓球場にしただけで優秀な学生がたくさん応募してきた!
・工場の機械をカラフルに塗っただけで作業効率が上がった!
そういった事例は山ほどあります。

ぜひ職場環境を見直してみてください。


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